FMC/TFMの原理

一般的なPAUT(フェーズドアレイUT)では、あらかじめ設定した角度や焦点位置に対して超音波ビームを形成します。しかし、この方法ではフォーカス位置が限定されるため、観察領域全体で金一な分解能を得ることは困難でした。
そこで発展してきたのが、開口合成技術です。
これは、複数の送受信データを後処理で合成し、仮想的に大きな開口を形成することで、高い分解能を実現する技術です。医療超音波、レーダー、分野などで発展した技術が、現在では工業用超音波探傷にも広く応用されています。
その代表的な技術が、FMC(Full Matrix Capture)とTFM(Total Focusing Method)です。

FMC(Full Matrix Capture)はデータの取得方法を示します。配列された各素子を1つずつ順番に送信し、そのたびに全素子で受信を行います。
 例えば、64素子プローブの場合、

・1番素子で送信 → 64素子で受信
・2番素子で送信 → 64素子で受信
・…
・64番素子で送信 → 64素子で受信

という動作を繰り返します。

これにより、全ての送受信ペアの情報を取得でき、完全なマトリクスデータ(Full Matrix Data)が生成されます。この完全なデータセットを保持することで、後処理による自由度の高い画像構成が可能になります。

FMCによる全素子送受信データ取得の概略図

TFMは、FMCやPWIで取得した全送受信データを用いて画像を再構成する手法です。
TFMでは、画像中の各点に対して、送信素子から対象点までの伝搬時間、対象点から受信素子までの伝搬時間を計算します。
そして、その伝搬時間に併せて各信号を遅延補正し、加算処理(Delay and Sum)を行います。
この処理を画像全体のすべての点に対して実施することで、全領域に対してフォーカスされた高分解能画像を生成できます。

従来のPAUTでは特定深さのみが最適フォーカスとなるのに対し、TFMでは画像全体がフォーカスされる点が大きな特徴です。

PWIにおけるセクタ電子走査のビームイメージとBスキャン画像
図 セクタ電子走査のビームイメージ及びBスキャン画像イメージ

TFMは、FMCやPWIで取得した全送受信データを用いて画像を再構成する手法です。
TFMでは、画像中の各点に対して、送信素子から対象点までの伝搬時間、対象点から受信素子までの伝搬時間を計算します。
そして、その伝搬時間に併せて各信号を遅延補正し、加算処理(Delay and Sum)を行います。
この処理を画像全体のすべての点に対して実施することで、全領域に対してフォーカスされた高分解能画像を生成できます。

従来のPAUTでは特定深さのみが最適フォーカスとなるのに対し、TFMでは画像全体がフォーカスされる点が大きな特徴です。

TFM画像化プロセスの概略図
図 TFM画像化プロセスの概略図
FMC/TFMの特長主な用途
・高い空間分解能
・微小欠陥の検出能力向上
・全領域フォーカスによる均一な画像
・後処理による柔軟な解析
・複雑形状部材への適用
・溶接検査
・CFRPなど複合材料検査
・微小欠陥評価
・高精度サイジング
など
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