超音波探傷試験におけるロボットの利用
産業用ロボットの普及により、超音波探傷試験の分野でも、さまざまな事例における課題を解決するための、新しく興味深いアプローチが可能となりました。超音波探傷試験におけるロボット応用では、さまざまなロボットシステムとUT技術を統合することで、非常に過酷な環境下であっても、高精度な検査を実施することが可能となります。
ロボットプラットフォームは、危険な場所やアクセスが困難な領域においても、人間の検査員を危険にさらすことなく遠隔検査を実施することが可能です。これにより、産業オペレーション全体の安全性が向上するだけでなく、多くの場合、検査時間の短縮という追加的なメリットも得られます。従来の手動検査方法と比較して、ロボットによる超音波探傷試験は速度、効率、精度、安全性が向上しており、様々な産業界において、より信頼性が高くコスト効率が高い検査ソリューションが開拓されています。
総じて、ロボティクス産業とオートメーション技術がNDTの未来において重要な役割を果たすことは間違いないでしょう。


ロボットを活用した検査プロセス
ロボットを利用したプロセスでは、超音波取得システムとトランスデューサーを備えたロボットプラットフォーム/システムを導入して、アセットをスキャンし、アセットに関するデータを収集し、リアルタイム解析または事後解析を行い、包括的なレポートを生成します。
こうした革新的なアプローチは、特に危険区域や立ち入り不可能な場所への立ち入りにおいて効率、精度、安全性を高めるため、超音波探傷試験に精通した専門家にとって価値あるツールとなります。
多くの場合、これらのロボットによる検査は従来の手動検査と比較して、はるかに安定した超音波データセットを提供します。これによりデータ密度が向上し、アセットの健全性に関する情報がより詳細に得られるとともに、従来よりも多くの超音波測定を実施することが可能となります。
空中超音波探傷試験
空中超音波探傷試験(ACUT)は、非破壊検査(NDT)の分野で新たに登場した技術で、材料を液体に晒すことができない場合に最適です。TPACからご紹介するのは、大きなインパクトをもたらすことが期待される最先端のデバイスPILOT+です。ASNT 2024では当社のエキスパートであるヘクター・カラスが空中超音波探傷試験のライブデモを行いますので、ぜひお立ち寄りください。
適用事例:
検査:複合材、ハニカム構造、薄い金属、その他航空宇宙産業、自動車産業、土木工学で用いられる材料。
検出:一般的に、剥離、空隙、き裂、厚さのばらつきなどの欠陥の検出に用いられます。
ご興味を持たれましたか?
こちらの記事をご覧ください! WCNDTでのTPACによる空中超音波UT | LinkedIn
ロボットによる空中伝搬超音波検査(ACUT)は、実際にはどのように機能するのか?
TPACは、産業オートメーションのスペシャリストであるAxiomeと協力して、最先端の空中超音波探傷試験(ACUT)のライブデモを行いました。ACUTは、複合材や機械部品を完全に乾いた状態で検査できる非接触型ソリューションです。
この短いビデオでは、Axiomeのテクニカルディレクターグレゴリー・シャリエ氏が、当社と協力して作成したセットアップの仕組みについて説明しています。
- ABB協働ロボットにTPACのPilot+デバイスを搭載。162 dBのデジタルダイナミックレンジを実現、アナログゲインは不要
- カプラント(接触媒質)を全く必要としない、迅速で自動化された検査を実現する完全統合システム
このソリューションにより超音波NDTをロボットラインにスムーズに統合できます。
適用事例と産業
閉鎖的な空間や、腐食性の化学物質、可燃性の高い環境、あるいはこれら全てが混在するような危険な環境に晒される産業においては、人間に代わってロボットプラットフォームを導入して検査を実施できるようにすることで、多くのメリットがもたらされます。
安全性は確かに最大のメリットですが、多くの場合、これらの検査はアセットの稼働中でも実施が可能です。そのため、これまで人間の手による検査で必要だった稼働停止が不要になり、それに伴う収益の損失がなくなります。
もう一つ、超音波探傷試験における重要なロボット適用事例として挙げられるのが、パイプラインや貯蔵タンク、橋梁、ダム、オフショアプラットフォームといった大規模インフラを検査するための、超音波センサーを搭載した自律型または遠隔操作型車両です。これらの車両は困難な地形や水中環境を移動できるため、通常ならば立ち入ることができない場所での検査が容易になります。

超音波プローブを装備したロボットクローラーは、パイプラインや容器の壁に沿って移動し、欠陥や異常を体系的にスキャンすることができ、主に産業現場で溶接部の完全性を検査するために利用されます。
超音波トランスデューサーを搭載したロボットアームの導入もまた、超音波探傷試験において特筆すべきロボット適用事例です。これを用いて、航空宇宙産業で見られるような、複雑な構造物の徹底的な検査を実施することができます。ロボットアームは精密な操作が可能であり、包括的なカバレッジと正確なデータ取得を保証すると同時に、検査の再現性も確保します。これらのロボットアームは高精度な動作が可能であり、広範囲にわたる検査カバレッジと正確なデータ取得を実現するとともに、検査の再現性も確保します。
更に、検査プロセスを効率化するために協働ロボット(コボット)が人間のオペレーターと一緒に作業する事例が増えてきています。これらのコボットは超音波プローブと高度なセンシング技術を備えており、製造ラインや組立ラインにおいて効率的で人間工学的な検査作業が可能です。